水洗い
ペルシャ絨毯は5年~10年に一度、水洗いを必要とします。そもそもペルシャ絨毯はほかの絨毯と比べてパイルの密度が非常に高く、汚れにくい特徴がありますが、目が詰んでいる分一度入った汚れは取り去るのが容易ではありません。そのため、イラン式のクリーニングはクワを使って中に入っている汚れを掻き出します。こうすることにより軸糸まで入り込んだ埃を取り去ります。洗いあがりはとてもしなやかになり、寝ていたパイルも起き上がり風合いが復活します。言葉の表現がうまく見つからずに良いたとえができませんが「洗っていなかった髪を久しぶりにシャンプーしたような・・・」感じです。
房交換
ペルシャ絨毯についている房「フリンジ」は飾りではありません。元々は経糸の一部です。織機から外す際にピンと張った経糸を切った名残で、産地にもよりますが大体上が長く下が短い作りになっています。このフリンジも長年敷いて使っていると擦り切れてきます。これを放置しておくと絨毯本体がほつれてきますので注意が必要です。修理は房を一度切り取り、一目一目糸を刺していきます。この修理は水洗い直後が最適です。
ふちかがりの交換
フリンジ同様に擦り減る部分に「シラゼ」と呼ばれる「ふちかがり」があります。ここも長年人が歩いたりしていると擦り切れてきます。やはり放置しておくと絨毯本体に悪影響が出ますのでクリーニングの際に一緒に修理してしまいましょう。
虫食いや腐食、傷などによる穴の補修
ソファーの下にもぐっている部分や、納戸などにずっと仕舞いっぱなしのウールの絨毯は虫に喰われてしまう恐れがあります。こまめに掃除機をかけるなどして、虫に喰われないようにしましょう。また、絨毯の上に植木鉢などを置く場合も注意が必要です。知らぬ間に水が漏れていてその部分が腐ってしまいぽっかり穴が開いてしまうことがあります。
虫食いや、腐食による穴の修理は、経糸・横糸を針で通し直して、周りの図柄を参考にパイルを刺し直します。職人の腕が問われる修理です。うまい職人だとほぼ見分けのつかないレベルまで修理可能です。